開店躁だん

荻窪アルカフェの店主だん@佐々木典子です。◆アルカフェYouTubeチャンネル https://goo.gl/ZPrzvv ◆アルカフェE-mail dan@alcafe.deca.jp◆アルカフェWEB http://alcafe.deca.jp ◆Twitter https://twitter.com/alcafe_ogikubo ◆Facebook 荻窪アルカフェ https://twitter.com/alcafe_ogikubo ◆Facebook 佐々木典子(檀上) https://ww

ゲゲゲ展感想文

水曜日は朝イチでゲゲゲ展松屋銀座に行ってきました。正確には洗濯してから行ったので、松屋に到着したのは、10時半。開き待ちするよていだったのに、残念。入口はまだ行列はできてませんでした。ほっ。蛍光イエローのぬりかべと3人の昼寝少年(鬼太郎、悪魔くん、三平)がお出迎え。と復習しやうと、公式ブログを見たらびっくり!水木せんせいご本人が一般客と同じやうに会場に登場!!!なんてお茶目なせんせいなんでせう。素敵。

会場アレンジは祖父江慎さんによるもの。入口左脇にある薄グレー幕の間には妖怪ブロンズ(これは水木せんせい所蔵のものでは。境港に設置したとき全部ダブルで作ったそうです)があったり、光る障子目があったりと(これ何て名前だったかなあ)ちょっとしたお化け屋敷にも感じられます。演出うまいなあ。

会場内は行列できてました。平日の午前もなんのその。最初の原画にたどりつくまでが長い長い。まずは河童の三平から。会場中央には河童に追いかけられたときの飛び石オブジェや河童頭も展示されています。三平は自然描写も多いので、まさにミニアチュールの世界。背景に魂が宿っているかのやうです。草木は描かれた後に斜線を細かく入れて陰影を出しているやうです。それにしても思うのは、水木さんはスクリーントーンなんか使ったことあるんかなあ。全部手書きでないの?点々多過ぎくらら。背景がこれでもかとまでに細かい一方、主人公ほか人物は呆れるほどにシンプルなんですよねえ。思い切りカリカチュア。生きとし生けるものは全て寓話、自然にこそ本然の姿が。なんて深読みしちゃいたくなります。

次いで鬼太郎コーナー。オブジェは鬼太郎と巨大石。貸本時代はアメリカンコミックスぽい部分もあるんだすよね。「墓場鬼太郎」アニメがサイケにリミックスされたのも、何となく頷けます。紙芝居ハカバキタローもモニター展示。ひねりつぶされそうなおとうさんはこの後どうなったんだらう。続きは明日のお楽しみドドーン。2誌の絵柄の違いなども同シーンにて並列展示。セリフなんかは貸本時代の方がインパクトあったりするなあ。マニアック。いろんな妖怪が出てくるので、常に子供受けするんだらうなあ。鬼太郎は。ちなみに、わたくしリアル世代は80年代バージョンです。ユメ子ちゃん知ってますよ。

そして、悪魔くん。J氏はモノクロ実写リアル世代です。悪魔くんごっこはしなかったのかなあ。オブジェの代わりに魔法陣。原画は子供に楽しめるかどうか分かりませんが、少なくともこの魔法陣はお子様人気高いみたい。絶えず子供が真ん中に立って遊んでました。そこに立ってちゃメフィスト出てこられないよ〜。悪魔くんはテレビ放映もからんで、主人公もリメイクされてますが、ひょうたん顔の方がやはり本来の水木せんせいイメエジ悪魔くんなんですね。

3主役の後は、妖怪たちのコーナー。今回は日本に限定した妖怪画がずらり。モノクロと色付の並列展示なので、モノクロでより詳しく筆さばきが確認できます。ゲージツだ!妖怪ブロングもここでふたたび増量。その他、水木せんせい年表(結婚式の写真でかっ)、水木夫妻インタビュー放映、最新の巻軸など。出色は「ゲゲ女」から水木せんせい仕事場の再現。おお!初期の部屋だ〜。「ゲゲゲの女房」は8月18日を以てクランクアップ。アサヒコムにまでその様子が掲載されるなど、今年のブーム牽引を実証。

それにしても思うのは、せっかく100枚の原画展なんだから、画録を作ってほしかった。ポストカード約4000円しか選べないのはちょっと。。それでも何枚か購入。これを機会にと、ちくま文庫の鬼太郎を何冊か。これでちくまはヒットラー近藤勇以外は揃ったはず(この2作は図書館で読んだことあり)。展示は23日までだすが、最終日はモノスゴイんだらうなあ。。

今年はゲゲゲ・ブームだが、ブームだけで終わってしまうのはさみしいので、これを機会にやはり一冊でも多く水木作品を手にとってくれるひとが増えますやうに。生きる活力が湧くタイプの漫画ではないのだすが、生きてるだけでいいんだなと、どこかで思えるのが不思議。こないだフジでやった「ぼくらの時代」荒俣宏、水木夫妻の三者会談では、なんてったって「呼吸してるだけでしあはせ」だすよ。やはり巨人だ。。あと、この夫婦。奥さんの料理で何が好きですか?⇒「皿以外はなんでも美味しい」。ご主人の食生活で気をつかっていることは?⇒「皿食べないように気をつけてます」。この夫婦も傑物カップルだ。

そうそう。忘れちゃいけない。物販コーナーに何枚かチラシがありましたが、そのひとつ。しょうけい館にて企画展示「武良茂(水木しげる)の人生」があるそうです。9月26日(日)まで。