開店躁だん

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【作詩作曲覚書】恋と云うほどのものでないけれど(佐々木典子)

恋と云うほどのものでないけれど
作詞作曲 佐々木典子

♪お初出し演奏動画
https://youtu.be/9TXd4aQPJao?t=687

ハイボールにはレモンは要らない
旧いラベルのアーリーが好き
そのひとラベルの癖がある

癖の断片が寄り集まって
その人を象(かたど)っていた
どんな声かもう覚えてはいない

今宵の月は東へと逃げた
わたしを呼ぶ声もう聞こえない

あなたに会えて良かったわ
声にならない声はみな
音楽になり消えていく
恋と云うほどのものでないけれど

冷えたビールを傾けて聴く
明るい歌はお別れの曲
カーテンコールはもう聴こえない

「さよなら」でなく、「またね」と言って
会えないけど約束をする
願いは何処(いづこ)へ旅立つのだろう

今宵の月は東へと逃げた
わたしを呼ぶ声もう聞こえない

あなたに会えて良かったわ
声にならない声はみな
音楽になり消えていく
恋と云うほどのものでないけれど *

今宵の月は東へと逃げた
わたしを呼ぶ声 いまは夢の中

*繰り返し

 

詞先です。実は6月に作ったのですが、その後、奥谷さんとの競作?「遠い約束」が挟まったり、短歌曲「蟻の大群」を思いついちゃったりで
発表が遅くなりました。歌詞間違えちゃっててまだ荒いのですが、もうちょっと仕込んでいきたいと思います。

ちなみに、ハイボール(レモン抜き)も、アーリー旧ラベルも実話です(笑)

この曲で使った「音楽になり消えていく」というフレーズは、最近読んだ、韓国の小説「楽器たちの図書館」 (新しい韓国の文学)(キム・ジュンヒョク) 
の中で、「音楽は消滅していくものだ」という登場人物の言葉がとても印象に残り、使わせてもらいました。
短編集ですが、どのお話からも音楽が聴こえてくるやうで、とてもオモチロイですよ。

わたしたちは普段、“恋と云うほどのものでないけれど”大切な魂の交歓を、音楽を通じて行っているのではないだらうか。
そして、それは、空間に消えていくものとして捧げられているのではないだらうか。

哲学ソングとしても、恋愛ソングとしても、ダブルミーニングが持てるチャーミングな曲だと思っているので(自画自賛)、もうちょっとれんしうします。ぐわーーーー(身もだえ)