最近は思い付きTwtitterダダ漏れ傾向なので、こちらがすっかり閑古になっておりますが、記録保存としてはまだまだ活用されるべく。
だん的推薦課題図書(まんが含む):
◆伊集院静「なぎさホテル」- 初期の週間文春連載エッセイにたまに紹介された、この「なぎさホテル」について、纏まった文章は初ではなからうか。「いねむり先生」を起爆剤として、おやぢファン急増ちうの伊集院氏による逗子逗留回顧録。逗留のきっかけを作ったI支配人やY女史は、カズオ・イシグロ「日の名残り」にでてくる名執事を彷彿させる。職業から発せられる品格とは、こういふものなんだらうなと、ノー品格店主がぼそっ。
◆近藤史恵「サヴァイヴ」- 新潮文庫「Story Seller」3冊連作を含む短編集。自転車ロードレース界を紹介した「サクリファイス」外伝らしいが、本編は未読。沢木耕太郎のスポーツ・ドキュメンタリーを読むやうな硬質な爽快感。
◆重松清「季節風 夏」- ついに出ました!季節風シリーズの夏編。冬・春・夏が出そろったので、9月あたりには秋が刊行されるでせう。じっくりと味わいたい逸品。お盆あたりに読むとさらに深まるかも。
◆東雅夫編「文豪怪談傑作選 明治篇 夢魔は蠢く」- ニッポンの夏はやっぱ怪談っしょ。寝苦しい夜に。初の挿絵あり。ご存じ夏目漱石「夢十夜」から遠野物語の語り部佐々木喜善(柳田国男でないのがポイントね笑)など、怪談好き文士の淡々とした語りに酔いしれ。蚊取り線香炊きたくなりますね。
◆三木大雲「怪談和尚の京都怪談集」- 怪談と和尚と京都。これだけで買い。近所の御寺のぼんさんの訓話説話ぽいムードがほんわか。本堂で聞いてみたいだすね。
◆大田垣晴子「ぐう〜の音」- 夏バテ食欲不振を打破すべく。和食、韓国、ハンバーガーと無節操な食べ歩きまんがエッセイ。食い雑学仕入れにも。
◆谷口ジロー「ふらり」- 「孤独のグルメ」で名を馳せた作者が、今度は江戸をふらり。伊能忠敬の江戸出立までの半隠居生活を描く。サラリイマンの心鷲掴みの理由がなんとなく分かる。江戸もまた夢がごとく。
◆小坂俊史「遠野モノがたり」- 伝説の四コマ「中央モノローグ線」続編と言ってよからう。中野から遠野に単身居を移した三十路イラストレーター“なのか”の奮闘記。といふには淡々としすぎな物語展開。そう。地としての遠野がここでは主役なのだ。憧憬と諦念を繰り返しつつ、遠野風景と共に生きる“なのか”は読者の視点でもあり。それにしてもこの人の作風、好きだなあ。
◆さくらももこ「四コマちびまる子ちゃん(10)」- 神戸新聞などに連載ちうの四コマ。発売途中からカラーに。1冊5分で読める内容だが、疲れたココロには一服の清涼剤。脱力キャリア20年の底力よ。