開店躁だん

荻窪アルカフェの店主だん@佐々木典子です。◆アルカフェYouTubeチャンネル https://goo.gl/ZPrzvv ◆アルカフェE-mail dan@alcafe.deca.jp◆アルカフェWEB http://alcafe.deca.jp ◆Twitter https://twitter.com/alcafe_ogikubo ◆Facebook 荻窪アルカフェ https://twitter.com/alcafe_ogikubo ◆Facebook 佐々木典子(檀上) https://ww

音のネックレス「klingenkette」

昨夜は二期会オペラ研修所第49期マスタークラス修了生による自主公演コンサートの受付お手伝いに行ってきました。大学S混時代の同期がこのマスタークラス修了生であるのです。同期つながりでお手伝い。会場は王子の北とぴあ、つつじホール。予定時刻に到着すると、わたし以外の人の受付スタッフ3人全員二期会クラスの方。うわあ門外漢なわたくし。ばたばたと受付机設営、チラシ挟み込み、プログラム渡しなどやっていると、なぜかひぐらし団員Hくんに遭遇。どうも出演者の唯一の男声の方おNお知り合いだそうで。なるほどKO出→G大声楽バリトン(伏字に意味なし)。ひえぇえ。優秀なひとはどこまでも優秀だな。ちなみにこの方、わたしの所属合唱団「ひぐらし」指揮者のお弟子さんでもあるそうで。世間は狭いといふかなんといふか。

受付がひと段落すると、花束受付のお手伝い。ちょうどモニターもあり、音が聴こえるのでぼーっと聴いている。1stステージはオペラ・アラカルト。オペラの名場面名曲の抜粋。13人ほどの出演者なので入れ替わり立ち替わり。女性特にソプラノが圧倒的に多い。競争も大変なんでしょうねえ。歌の世界に男声はいつも希少価値高いよ。ふんとに。わたしの同期女史も素晴らしい歌い手になっていて、コツコツ努力型の彼女の性格を思うと、よくぞここまでと感心した。歌い手さんもいろんなタイプあり、だ。受付の女の子たちも声楽家なので、中が見たくて仕方がないらしい。わたしも最初は中で聴けるもんなら聴いておこうかと思っていたが、彼女たちの切実さに比べたら申し訳ないので、結局終始外で待機していた。後半、花束受付をいっしょにやっていたプチ声楽家の女の子と仲良くなり、いろいろ表と裏話を聞く。華やかな舞台裏はなかななのものでして。まあどの世界も大変なんでしょうが。完全ピラミッド構造のオペラ界。一人前になるまでの遠さときたらもう。お金と時間と実力と。めまいがします。くらあ。

2ndステージはモーツァルトアンサンブル。中でも「ドンジョバンニ」はなかなかの出来栄えで、結構注目度が高かった気がする。バリトンのKO出自の彼は出番が多くて大変だが、実力はかなり上クラスと見受けた。それにしても全般的な感想としては、「やはり発表会」の感はぬぐえない。もちろんレベルは非常に高く、テクニックもプロに伍するような部分は多々あるのだが、先日、合唱指揮者のソロ・リサイタルで感じ入ったこととは種類が違うように思うのだ。「うまい・へた」の世界から一歩ぐぐっと前に踏み出てくるもの。それが所謂門外漢を含む聴き手へのアプローチではないのか、と思う。どの世界でもプロは「うまいへた」の評価基準を超えているのよね。これはもしかしたらもともとの天分と共に、現場経験がものを言うのかもしれない。声楽家プロの卵さんたちの今後の現場ご活躍を切に祈ります。