血沸き肉躍るサンズ絵巻のはじまりはじまり~
当時、武道とは芸道のことであった。モテるには、武士、つまり音楽芸道を志すべし!
農民まるとみゆきは、サンズ組といふ講(互助会)に所属し、日々荒地を開墾していたが、モテへの夢を捨てきれず、共に村を出奔する。
まずは都へ!と旅を続けるが、美女強盗になけなしの路銀を盗まれる。盗難現場となった宿場アルカフェでは、オーナーだんから「働けばいいよ」とボランティア・スタッフを勧められ、ただ働きの日々。。
そんなある日、ふたりは宿泊客から女人ドーナツ國の噂を耳にする。
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まる「ぼく、ドーナツの曲で、女人國のボーイスカウト・オーディション受けようかな。」
女人國につき当然男子禁制であったが、管弦に従事するボーイスカウトのみ居住可能だったのだ。
みゆき「え!まるさん、絶対やめたほうがいいよ。ドーナツ女人國、あの曲聴いたら美女みんなブチ切れて牢屋に入れられちゃうよ!」
まる「イチかバチかやってみないと分からないじゃん!」
口論となり気まずくなったまま、使用人部屋で黙って床に就くふたり。
翌朝、まるの姿はなかった。
みゆき「まるさん...」
フードを被って女装してドーナツ女人國に入国する、まる。
関所を超えたところで腰を下ろし、小声で歌ってみる。そうしたら、ますますの人だかりが。美女の人だかりが。
美女のみなさん「え、ドーナツをこんなに賛美する曲聴いたことない。」「キッチュよね!」「あのひとの曲かしら」「ハモリたい!」
ざわざわざわ。いつしか何十人もの美女が一緒にハモってるではないか。
♪君はドーナツ
演奏後あっという間に美女に囲まれるまる。わたしの屋敷で歌って!いやわたしが先よ!とすわ美女まみれ乱闘?
と思いきや、そこに神輿が通りかかる。神輿の簾をそっと上げたのは、ツイスト教団の首長にして巫女、たまる。
「國があなたを保護します。ついていらっしゃい」
ドーナツ官邸に案内され、さっそく大歓待を受けるまる。「きみはドーナツ」がこれだけ受けるから、さらに派手にしたらどうだらう。シャウトを増やして構想を練り、完成した。
新曲ドーナツ・サンバ、君はドーナツを上回る大ヒット!
かたや、みゆきは単身、モテ五輪書が伝わるといふオープンマイク諸国に修行の旅へ。
山で出会ったギター仙人ほか、ライブハウス猛者たちからモテ極意を伝授されていく。
え!ちょっと待って!極意を伝授されればされるほど、周りにギター仙人みたいな男子しかいないんだけど!←突如、悟る
まるさんは女人ドーナツ國に行ってどうなったんだらう。おんなのひとに苛められてないかな。いや、それともモテてたり、いやまさか!え、今どーなってんの!?まるさんを探す旅に。サンズ再結成まであと〇〇〇日。ふたりは巡り合えるのか!
(いろいろわーーーっとあって省略←てきとー)
いよいよ舞台はドーナツ・ドーム。ドーナツ女人國にてふたりが巡り合うのは、持ち曲コンテスト決定戦の時だった。賞品は詳らかにされてないが、噂では勝った方が国主になるとか。女人國なのに!w
ドーナツ・サンバ VS. モテ極意ソング。
軍配はどちらの手に。勝負がつけばサンズはどうなるのか。手に汗握る、女人ドーナツ歌合戦!女人コーラス喜び隊100人!
先攻ドーナツ・サンバは、女人ドーナツ国のサンバチーム100人の大階段部隊。
100人の美女が中央で二手に分かれ、中から神輿に担がれた、まるが登場。
♪ドーナツ・サンバ
きみはドーナツの中のドーナツ以下略
10分に渡るドーナツ・サンバ踊りは、観客にも伝染し、ドーナツ国民みなサンバ!
ドーナツ・ドームが大歓声に震えます。
まる、人生激モテ期。生きててよかったパーリナイト!
舞台袖のみゆき。目を閉じて腕を組んでます。
おれにはモテ極意がある。脳裏に浮かぶは、ギター仙人たちのことばかり。
まる神輿とサンバチームが退場して、誰一人いないステージ上。
みゆき、ただひとりがギターを持って進みます。
モテ極意の詰まったこの曲を
♪Demon
モテ極意にかけるギター仙人たちの魂が憑依したかのやうな、悪魔的技巧と表現!あたかも不動明王が顕れたかのやうな、みゆき。まるで火の柱。
こんな演奏聴いたことない。固唾をのんで見守る
ドーナツ・ドーム観衆。
ドーナツ神輿の上にまだ鎮座していた、まるは
「なんかすごい!でも、このすごい中で別のことしたくなる。リスペクトしたいの?disりたいの?どっち?」
思わずステージ上に駆け込む。愛用のプレステ持って。
炎の演奏をするみゆき。その横で、一心不乱にプレステを打ち込む、まる。
サンズ絵巻、名場面、圧巻のシーンかくや!
最後のギター音がかき鳴らされた瞬間。ドーナツ・ドーム大歓声。
審査員席には諸国からの音楽業界関係者も。
「すげーもの見たな」「誰よあのひと」「なんかモテ極意マスターしたくて諸国放浪してたらしいよ」
「しばらくドーナツ国滞在するのかな」「うちにも来てレコード業界盛り上げてほしーわ」
ざわざわざわ。ドーナツ・サンバ派も負けてない。会場は混乱をきわめる。
そのとき、鶴の一声が。
巫女たまる「この勝負、不審な点があり、ひとまずは協議にかけるべし!」
まるはドーナツ美女に囲まれ、みゆきは軍関係者(こちらは偉丈夫な美女軍団)に囲まれ、連行されていく。
モテ極意ソングを歌ったみゆき。圧倒的デモーニッシュな歌声について、各界レコード会社は連日議論を闘わせていた。
これは悪魔の歌なのか?神の声なのか?いや、社会変革の歌声だ!?
議論が収拾するまでは危険人物として拘留するといふ一次的決断が下された。みゆきは地下牢へ入れられた。ガシャーン
協議結果も出ず無駄に日を重ねる中、女人ドーナツ國では、ドーナツサンバをヒットさせた、まるを国主に迎えるべし!派閥と、ドーナツはなんてったってツイスト教団とに分断されていった。
ドーナツ・サンバ歌劇団によるまる神輿は、100重ねバブル・ドーナツと巨大化し、細々と、だが堅実にデザイン手工芸を主としていたドーナツ女人國を財政難に追い込んでいった。
100重ねドーナツ💩の頂点穴を目指してオーデイションは連日開催され、ドーナツ美女コンテスト審査員として、まるは龍宮気分の毎日。一方で、ツイスト教団による、まる暗殺計画が進められていた!
ついにオーディション結果が出た!美少女うにさん!だが、彼女こそ、ツイスト教団から遣わされた刺客だったのだ。100重ねドーナツ穴にまると鎮座し行われる市中パレードこそ、暗殺現場となる予定だった!まるさん!やばい!うにさんにデレデレしてる場合じゃないよ!
パレード区画整理が行われ、あの対決からひと月後、100重ねドーナツ・パレードの日が、ついにやってきた。
まるは美少女うにと、3階建ての高さに匹敵する、100重ねドーナツのてっぺん穴にクレーンで運び込まれた。
まる「ちょっと狭いですね。大丈夫ですか?」
うに「はい。わたし、男性の隣に座るの落ち着かないんで、まるさんの上に座っていいですか?」
まる「!!!!!」これが昔サンズ講の大人たちがこっそり読んで回していた、いとじゅん翁のルールブックか!
いとじゅん翁著「尻の下伝書(かでんしょ)」
嫁の尻の下に敷かれる心得とマナーブックであるが、まるは子供だったので中身は読ませてもらえなかった。
よし、ちゃんとルール知ってるふりして、うにさんを安心させないと!
まる「うん。じゃあぼく、下になるね。」安心させるためにタメ口。リラックスリラックス
うに「下になるとき、ドーナツ食べたいので、床掘ってもらえます?」
まる(!!これもおそらくルールブックに書かれているに違いない。婿が掘ったドーナツを嫁にあーんするんだな。いや、ぼくがあーんするんだったかな。)
まる、うにの尻の下となり、さらにドーナツ部分を手で穿り返す。うにが背中に座っている状態なので、ちょっと辛い。
まる「うにちゃん、どのくらいドーナツ食べたい?」
うに「えっとね。バケツ一杯分くらい。できるだけたくさんのほうがいいわ」
まる「(そっか。豊穣を祈願しているんだな。。)わかった!たくさん掘るね!」
まる、完全に頭が脚より下になり、血が頭に昇る。かなり辛い。
まる「もーいいかい?」うに「まあだよ♪」
まる、なんかおかしいと思ったときにはすでに遅し。上からドーナツ蓋がされた。ドーナツの穴がふさがった!
うにのお尻と思ったのはドーナツ生地にすり替わっていたのだ!
え!ぼくがドーナツの穴になっちゃうの、、まる、大ピンチ!!
でも生きたいぃいい!と叫んだとき、まるの身体が揺れた。え、地震?
パレード区画整理ができたのは貧民窟だったのだが、抗議と空腹のためデモ隊が待機しており、100重ねドーナツの周りに民衆がへばりついたのだ!そしてドーナツを外から食べ始める!
mottainai団体のみなさま「どうせ3日で賞味期限切れるから、今食べようよ!」
民の声
「昨日のル・モンドーナツ紙面によると、100重ねドーナツの分量で国債のパーセンテージが決まるらしいぞ!」
「いや、貨幣はもうすぐドーナツになるらしいぞ!」
「100重ねドーナツをオークションに出したら、屋敷が買えるぞ」
100重ねドーナツに群がる民衆。あっといふまに形が崩れていく。。
デマの嵐である。ル・モンドーナツ新聞はたまると懇意にしている、しんpay payが社主であった。ドーナツ価値を混乱で下落させて、しんpay payを新たな国庫貨幣にと目論んでいたのだ。
政府と新聞関係者の中には、有能な他国からの男性も勤務していたのだった。
たまるから、「まるさんのドーナツ・サンバ、どうよ」と言われ、
「ぼくだったらもっと素敵にアレンジ&プロデュースできるよ」と
まるに版権譲渡を持ちかけていたが、承諾が得られなかったので、
じゃあドーナツに次ぐ流行をそろそろと考えてもいたのだった。をを、有能なしんpay2 P!
民衆デモ混乱の中、まるは途方に暮れてドーナツまみれ「ぼく、このまま死ぬのかな。。」
うには混乱に乗じて既に逃走していた。
まるの手を取る者がいた。「ドーナツおいしいね。まるさんも食べたら?」
尼カフェ店主、だんだんだった※冒頭のアルカフェ店主とは別人
舞台は変わり、地下牢のみゆき。一心不乱にギターをかき鳴らして曲構想を練っている。
みゆき「ええと、今日は何月何日だ。」
だんだん「令和元年のサマーデイズだすよ。」
みゆき「わ!あんたどこから入ったの?」
だんだん「さっき、門番となかよくなってお酒呑んでたの。はい、鍵もらってきたからこんなとこ出ようよ。
あほになる薬、といってもお酒だけど、たくさん飲んだからしばらく外の人起きないよ。」
パレート前日、だんだんはみゆきを連れて、貧民窟に匿っていたのだ。
まるとみゆき、ふたたび邂逅。もうこんなとこ出よう。
だんだん「はいはい。もうふたりとも出家しましょうね。心がきれいになればいい曲書けるから(てきとー)」
だんだん寺に行くことに。
国境に用意された馬に乗って、さあ出発!
といふところで、後ろから大きな声が。たまる巫女である。
たまる「ちょっと、あんたたち、どこ行くの?まだ勝負はついてないんでしょ!」
みゆき「運があったらまた会おう。じゃあな!」(今の台詞と首の角度、モテ度アップしたよね)
たまる「。。。」(この人、曲はいいのに、考えてることが略)
たまる巫女は心の声が聴こえるのだ。読心術が強すぎて、ときどき倒れる持病があった。
だんだんはふたりを連れて、出家団体尼カフェへ。
サンズ結成まであと〇〇〇〇日!
下巻へつづく
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