休日快読。柴田よしき「風のベーコンサンド」- 高原カフェ経営1年生の細腕繁盛記。フード描写がカフェスタイルに凝り倒した分、ひとり営業の現実味は薄い。が、それゆえに「素人のままで、達人になりなさい」という巻末の言葉に説得力が生じる。背伸びしない身の丈営業こそ、実のある営業である。
休日快読。是枝裕和「歩いても 歩いても」- 映画が先か、小説が先か。悩んだ末に樹木希林に軍配をあげたいが、それでも単なるノベライズではない。映像で語り尽くせない余白を、極め細かく筆で埋めていく作業は、紛れもなく小説家の視点である。「海街diary」も早く観たくなった。漣のような是枝監督の視点が、鎌倉の海をより碧く捉えているに違いない。