2015-10-06 通勤快読 つれづれ 小池真理子「怪談」- 怪談といふよりは幻想小説に近い。あわい(間)のぼかし方が巧み。「命日」「墓地を見下ろす家」などとビビッドな恐怖に比べると、パステル画のやうに淡いが、山田太一「異人たちとの夏」にも通じる冥さだ。そしてどこか筆間から漏れる匂いといふか色気も怖い。