2014-07-22 通勤快読 つれづれ 森見登美彦「きつねのはなし」- 過日の京詣でを脳内ふたたび。夏休み序章に相応しく、表題作は裏京都案内ともいえる骨董店奇譚。古具は人の手に渡る度に、その魂を糧とするのか。淡々とした語り口に油断すると、冷や水を浴びせられる。徐々に生気を吸い取られていくような、淡い人物描写が秀逸。