通勤快読(おひさ)。 宮部みゆき「初ものがたり・完本」- 発表は今年の「泣き童子」より遡ること20年弱(1996)。未収2編を追加しての刊行。綺堂半七よろしく、回向院茂七の推理が冴える。文庫なのに、ほのぼの挿絵や江戸地図おまけもお得感あり。稲荷屋台の親父の正体や如何に。忘れているので再読もたのし。
宮部みゆき「小暮写眞館」- 三島屋シリーズから寄り道。旧い写眞館付民家を買い取った家族が遭遇する、心霊写真に纏わる不思議な話。といへばホラーぽいが、実際はユーモアを交えつつ心の琴線に触れていく話のやうな。元来、怖さ・不思議とは、感じ入った後に心が浄化されることなのだ。