けふは諸般の事情でHOLD営業がなくなってしまい、しかも今週はリビング配達も休み、在宅もなしといふことで、身柄が空いてしまった。こうなってしまったことにやや凹みつつも、こういふときは好きなことをして羽を伸ばそう。といふことで、午前ちうにやっつけ仕事を片づけて、午後から出かける。本当は余裕があれば鎌倉やら江の島やら考えたのだすが、さすがに昼過ぎてからはちと厳しい。ですので、結局通いなれた調布(笑)
いな!目的がけふは違います。鬼太郎の住民票をもらいに行くのだす。今や日本国中がゲゲ・ブームなので、台風の目となった調布市。NHKドラマが始まる前から観光推進委員が発足されたりと、気合い充分なのだすが、さらに今回はゲゲのアンテナショップを作ったとかで、今までは市役所での発行だった鬼太郎住民票が、ショップでも配布されるらしいのだ。
場所は賑やかな天神通りを横目に歩いた先のロードサイド。でも年配の方やら母娘連れやらでそこそこ賑わっています。真っ先に受付で「鬼太郎の住民票ください」と言ったつもりが、焦ってて「住民票ください」になってたらしく、「はい、あ、鬼太郎の、ですよね」と聞き返されてしまった。たはは。
鬼太郎住民票。A4サイズのペラ1枚。世帯主は目玉おやじらしい。本籍は鳥取境港。住所は調布市布田。鳥取と調布の拡大マップや、水木サンの漫画、写真など壁一面に貼られ、グッズコーナーもささやかながらOPENしている。鬼太郎ファミリー・ビアグラスに惹かれるも、この後の道程を考えると、荷物を増やすわけにいかないので、ごめんしてショップを出る。
そう、いつもは深大寺行きのバスに駅前から乗るのだが、今回は深大寺まで徒歩のよてい。てくてくてくとひた歩き、調布より線路沿いに布田へ向かう。だいぶ昔懐かしい光景の街並みに。布田より直角に折れて深大寺方向へ上っていく。途中、野川。ここを歩きたかったのだすよ。しげーさんとふみえさんが自転車で仲良く走っている野川。自転車ロードが両岸に整備されている。川べりは草が生い茂り。階段があったので降りてみたら、刈られた干草のやうなにほひがぷんと。何故か昔旅行した南仏プロバンスを思い出した。おそらく干草の記憶がどこかで結びついているんだらうな。対岸では5〜6人ほどの小学生が川岸ぎりぎりのところで遊んでいる。ひとりは落っこちそうなくらいで、わーわー騒いでいる。しげーさんもあんな感じの子供だったんだらうなあ。
川沿いの道はまだ続くが、途中で折れて、深大寺温泉ゆかりへ。温泉には入らず看板をやり過ごして、険しい坂道を上る。この辺のひとは足腰丈夫そうだなあ。途中けもの道みたいな私道もあったが、どうにか深大寺参道まで辿り着く。ふー歩いたあるいた。
ぶらぶら深大寺詣り。けふは人が少ない。鬼太郎茶屋も冷やかして、今回はさすがに暑いので、目玉おやじうちわと根付を購入。うちわを煽ぎながら、深大寺蕎麦「門前」へ。ほんとは先に「湧水」に行ったけど閉まっていたのだ。この界隈の蕎麦屋は仕舞が早い。
なぜかわたくし、ホッピービバレッジの深大寺ビールがとても気に入っているので、それと蕎麦を頼む。と、向いの窓際のおじいちゃんが楽しげに呑んでいて話しかけてくる。適当に応じつつ、話を聞いてみたら、この辺には60年前から通っているとかで、深大寺の宿坊で合宿したことがあるとか、深大寺の前の住職の話などしてくるので、うわー主かいな。武蔵野美大卒だとかで、じゃあと水木サンの話などふってみると(水木さんはムサビチュータイ)、その辺はよく分からないね〜とあっさり交わされた。まあそれじゃ相手さんに合わせてと、ぼつぼつ四方山話など。そんな流れなので、こちらも相手さんと同じ升酒を注文。ちょうど来た蕎麦と合わせる。んふー。黄昏どきに升酒と蕎麦に舌鼓打つ、深大寺の主みたいなおじいちゃんとアラフォー。これはどんな風に見えるもんかしら。
おじいちゃんは写真が好きらしく、わたしもその方向に見えたとかで、写真じゃなかったら物書きかい?と聞かれた。ひえぇえ。まあ確かに亭主は物書きに類するけど、わたしゃ滅相もない、私生活ダダ漏れブロガーですたい。ぼつぼつこちらの身の上も話していたら、荻窪鳥元(だったかいの?)のファンで、区画整理でなくなる前に写真撮りまくったから、そのうち個展やりたいとか。どわー。いや〜あそこの2Fはレアでしたわ、とかビアケースのテーブルが味でしたよね、とか。話合う合う。深大寺の主ではなかったのだすね。
5時の鐘が鳴ったので、爽やかに失礼する。ええ、かっこつけたいときもあるの、アラフォー。帰りのバスを待ちながら、図書館で借りた、足立倫行による水木サン伝記を読む。他人さまから見える水木サンもまた新鮮。調布駅に戻ったところで、例の水木サン本推奨本屋で、またも数冊購入。向井くんの写真集もちょっといいなあ、、いや買ってないけど。