後でJ氏に聞いたところ、昔の歌手はそれはそれはもう言葉を大事にしていたのですね。良い曲、良い言葉が伝わるべく伝えていく。そんな時代であったようです。歌詞カードもない2ステージ3時間。聞き漏らした歌詞はほとんどありませんでした。知らない曲ばかりというのに。面白いと思ったことは、マイクをほとんど胸の下に常に置いているのですね。手持ちでもスタンドでも。Hちゃん曰く「パルコ劇場の規模会場がちょうど良い」とのこと。地方だと概ね大ホールになってしまうのでしょうが、大きい会場だと音がすみずみまで飛ばないのだと思われます。パルコ劇場は舞台中心だからそれも良効果になるのでしょう。マイクをそこまで離して歌うということは、生音歌唱をそのまま再現しているからです。まさに、PAはこの場合拡張補助にすぎません。そして生音の表現種類の多彩なことときたら。老若男女。絵解きのやうな曲目たち。舞台芸術とはさもありなん。もちろんビブラートばりばりなところなど、クラシカル歌唱から見ると苦しい部分もあるのでしょう、アカペラ観点から見るととてつもなく感銘を受けました。伝わる歌詞の表現方。刺激になりました。いや、もちろんそんなふうに近づけるべくもないけれど、入口と出口がしっかり見えてくる歌唱って説得力の強さが違うわと思ったのです。せめて心がけでもと。はい。