開店躁だん

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プレミアム・ピアノ・イベント“CDJ PIANO NIGHT 2006”

原宿。おお若者の街。最近はマト宴会以外で降りたことがなかった。竹下通り。おおラフォーレ。いちいちおのぼりさんのやうに反応しつつ、目的地のBlue Jay Wayへ。CDジャーナル主催ピアノ・イベントなのだ。4組のピアノをメインとするアーティスト共演。8月8日がピアノの日といふことは知らなかった。88。ピアノの鍵盤数は88鍵。へぇ〜へぇ〜。

19時開場、到着すると少し列ができていた。整理番号順に入場。50組100名さまご招待とは、豪気なことですね。お客さんも応募者抽選につき、年齢は幅広い。ドリンク券も1杯分無料配布された。ドリンク込みだすか!すげ。スポンサードおそるべし。入口付近には各演奏者への花輪が。CDジャーナル様江もあった。記念すべき第1回イベントだすもんね。受付でハガキを出すと、女性スタッフから「佐々木さんの。。」と声をかけられる。会社の方だすか。いつも主人がお世話になっております。ご挨拶をし、客席へ。客席は100ちょいは入る、まずまずの広さスペース。椅子もレザーで白と黒が交互に並んで、おされ。全着席スタイルなのはありがたし。高級(セレブ?)ライブハウスのやうだ。通路を挟んで後方座席は音楽出版社の社員さん席のやうだ。遅れてやってきたJ氏に「あちら行かなくていいの?」女房同伴につきだいじょぶとのこと。生ビールはプラスティック・コップだけどんまかった。んがっと飲み干し、2杯目はコロナをいっているところ、ちょい押しで始まる。

1組目。大嶽香子。ナチュラル・ハイのピアニスト。本日は相方さんヴォーカルなしのピアノ演奏だ。のっけから激しいパフォーマンス。和をテーマとする全体の曲色調。中間にかごめかごめが入ったり、少し哀の入ったメロディが印象に残る。パーカッション、ベースとサポートも加わり、華々しいオープニングアクトとなった。

2組目。川江美奈子。元トライトーン・メンバー。生歌およびソロを聴くのは初めて。最近は「星の王子様」の朗読でも話題になっているらしい(新訳:池澤夏樹)。星の王子様を題材とした曲があり、非常にアカペラ向きな印象を持った。さんくぼあのハオンちゃんとか歌ってくれないかなあ。どうもこのあたりから妙に楽曲センスにアカペラなテイストを感じる。アカペラ向きだよなあと思っていたら、「最終電車」という曲で思い当たった。当たり前といへばそうなのだが、トライトーン・ルーツな音なのだ。多胡さんのフェイクやちづるさんのイントロ・フレーズが重なる。自分の感傷もあると思うが、でもやはりトライトーンでの経験は今の川江さんに息づいている。そう思って涙が出た。同じ場所にはもういないけど、音楽を通して何かが繋がっていられる。音楽の力は偉大だ。

3組目。さかいゆう。いきなり蛇足で恐縮だすが、実は昨年末、うみねこやで日本UNHCR協会主催チャリティーに出演したとき、共演していた。後からそのときのチラシを確認してみると、出演者にさかいゆうの名前は入っていないが、そのときの紹介のされ方は、難民の少女の生きる姿を淡々と綴る絵本のサウンドトラックにピアノで参加したとのことだった。このことが過去ライブ情報を辿っても出てこないのは残念に思う。

ピアノ芸は本日彼が一番持っていった。88鍵使い切ってのソロ・パフォーマンスでは拍手喝采。ヴォーカルも、和製スティーヴィー・ワンダーの異名どおりの、パワー&センシティヴ・ヴォイス。こういうタイプがバンドでいければ、ものすごいことになるに違いない。突出した才能だ。現在、新聞配達しているらしい(このギャップ!)。いつしかシモキタ、ジョージの帝王になっていくのだらうか。今回のイベント中では最も異色なプレイヤーだったかもしれない。隣のJ氏が非常にゴキゲンだったのが印象的。

4組目。笹川美和。エンヤ、沢知恵一青窈の要素が合い絡まったやうな、独特の雰囲気と声。イベントのトリにふさわしい(さすがエーベックス)貫禄だった。前組さかいゆうでの大盛り上がりを、一気に別のワールドに引き込む力。若干23歳であることと、新潟県在住に驚くが、今回の顔ぶれでは最もプロとして完成されていることは間違いない。楽曲バリエーションの幅が広がれば、さらに違ったワールドが拓くのではないかと、今後の展開にも期待。

しかし、これだけの顔ぶれが揃うイベント。お贅沢でした。欲を言いますと、休憩時間が全くなかったのはやや厳しかったかと。半分やって15分休憩か、1組やって10分休憩などなど、後半になると演奏中の出入りも目立ったので、次回以降、ご検討いただければ、と思います>CDジャーナル様。しかし、それ以外ではイベントとしては大盛況、大成功ではないかと思います。第1回とのこと。継続行事として、ますますのご発展をお祈りしています。